ほくろとシミの見分けは素人には難しい

ほくろ

 

見分けの難しいほくとろシミですが、ここで両者の定義を紹介していおきます。

 

ほくろ

ほくろはメラノサイトと呼ばれる細胞内の酵素が原因で発生するものです。

 

メラノサイトはシミの原因となるメラニン色素を生み出す酵素としても有名ですが、実はこのメラノサイトの集合体がほくろの正体となっています。

 

ほくろは通常肌との境界線(輪郭)がハッキリしていて、円形状になっているものがほとんどです。

 

ほくろは全身に発現するものですが、比較的顔に多く現れる傾向があります。これは体の中でも顔が常に紫外線を浴びているからと言われています。

 

ほくろにも種類があり、肌に対し比較的平坦なものを”単純黒子”と呼び、肌に対し盛り上げっているものを”色素性母斑”と呼びます。

 

シミ

皮膚が紫外線を浴びたり何らかの刺激を受けると、ほくろの原因ともなるメラノサイトが活性化します。

 

活性したメラノサイトはチロシナーゼと呼ばれる酵素を活性化させ、チロシナーゼはチロシンと呼ばれるアミノ酸をメラニン色素へと変えてしまうのです。

 

皮膚にはターンオーバーと呼ばれる再生機能があり、通常メラニンアはこの働きにより排出されます。

 

しかし、新陳代謝の乱れによりターンオーバーが上手く機能しなくなると、メラニンが細胞に沈着したままになりシミを作り出すのです。

 

ほくろにしろシミにしろ、紫外線など同様の原因が作り出しているものなのです。

ほくろには悪性のものがある(メラノーマ)

ほくろの中で注意しなければならないのがメラノーマです。

 

メラノーマは一見ほくろのようにも見えますが、その正体は皮膚上に発現したがん細胞(悪性新生物)です。

 

メラノーマはほくろと見分けがつかないためほとんどの場合気付くとがんが進行した状態となっており、高確率で体内の臓器や他の部位に移転しています。

 

そして恐ろしいのがメラノーマには抗がん剤の効果がほとんで期待できないことです(ダカルバジンとよばれる標準的な治療薬でも20%程度)。つまり数あるがんの中でもかなりの致命率を誇っています。

 

このメラノーマは日本人の発症率が徐々に増加しており現在危険視されているがんの一つとなっているのです。

 

体の中でも特に足の裏に発症する確率が高く、これは足の裏が紫外線や外部からの刺激に影響されやすいことが原因ではないかと考えられています。

 

ちなみに足の裏以外にも腹部、胸部、背中、腕、手、鼻や口の中などさまざまな部位に発症します。

 

メラノーマは主に以下の症状でステージ(進行状況)が決定します。

 

・リンパ節へ移転の有無
・メラノーマの厚さ
・潰瘍の有無
・他の部位へ移転の有無

 

これらの要素を含んでいるほど命の危険が高まります。

 

メラノーマについては以下の日本皮膚科学会のホームページがわかりやすくまとめられています。

 

 

短期間で大きくなったり染み出すようなほくろは要注意

メラノーマには短期間で大きくなる、染み出しているような形状という特徴がありますが、それだけではまだメラノーマとは判断しがたいでしょう。

 

そこでメラノーマを判断するための「ABCDE」を紹介します。

 

Asymmetory:非対称

ほくろやシミの形が左右非対称

Border:輪郭

ほくろやシミの輪郭が肌に対してはっきりしない

Color:色

ほくろやシミの色がまだら。

Diameter:直径

ほくろやシミの直径が7mm以上

Elevation:色

ほくろやシミが肌に対して盛り上がっている

 

つまり上記の5つの条件にあてはまるようなら要注意ということです。メラノーマには痛みやかゆみといった自覚症状はありません。

 

またほくろやシミとの判断も非常につきにくいので、上記で紹介した「ABCDE」が一つの指標となります。

 

メラノーマは進行すると高確率で移転し、移転した場合も抗がん剤による効果が期待できません。そのため早期発見が非常に重要です。

妙なほくろができたらすぐ皮膚科専門医へ

病院での診察

 

メラノーマの素人判断は非常に危険です。

 

ほくろだと思い込んでいてもメラノーマである可能性も高く、がん細胞の進行を許す結果になります。

 

素人判断が取り返しのつかない事態になる危険もあるのでもしも妙なほくろを確認したらすぐに皮膚科を受診しましょう。

 

皮膚科では主に以下のような検査が用いられます。

 

皮膚所見

医師や看護師が体に点在するほくろの色、形状、隆起、そして触診による手触りで悪性のメラノーマでないかを判断。または本人ですら気付かなかった色素部分を発見します。

 

自分自身で不安のあるほくろは積極的に場所を伝えましょう。

 

生検

実は医師や看護師でも肉眼や触診だけでほくろかメラノーマを判断するのは非常に難しいため、生検と呼ばれる検査を行います。

 

まずはメラノーマの疑いがあるほくろやしみ部分を可能な限り切除し、病理医が顕微鏡で細胞を確認。がん細胞でないかを調べます。

 

ここで注意したいのは初期のメラノーマは生検でも通常のほくろとの判断がつきにくい場合があるということです。

 

生検後は任意でサンプルを他の臨床医に調べてもらうことができるので、可能であれば二次検査を行いましょう。

 

ちなみにメラノーマの検査はおおよそ2,500〜3,000円程度で行うことができます。

 

費用的にもそこまで負担にならないので、もしも気になるほくろができていたら素人判断も放置もせず、皮膚科を受診し早期発見につなげましょう。